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こんにちは。という挨拶で合っているのか分かりませんが。
はじめましての方のために、話を始めるに当たり少しだけ自己紹介をさせていただきます。

私の名前はミリア・ファストです。
二十一世紀の日本から転生をして、ハリーポッターの世界へ魔法使いのイギリス人の家庭へと記憶を持ち生まれ落ちました。
私は魔法使いの学校であるホグワーツ魔法学校を卒業した魔法使いです。

そんな私はホグワーツを卒業してからすぐに日本へと渡りました。
日本へ渡った私は大学へと入学し、普通に大学生をしています。

私は主人公のハリーポッターより二学年上でしたので卒業した当初は謎のプリンスの時間軸、つまりイギリスではヴォルデモート卿の全盛期でした。
けれど日本へはあまり影響はありませんでした。まったくというわけではないですが、大きな問題はありません。
ですので私は日本でいまは普通に大学で学生をしています。

日本に来た理由は、日本が恋しかったということ。
そして、はじめ私はイギリスの魔法省へ勤めようと考えていましたが、いっそ日本に来てしまった方が安全かと思い至ったのです。

選択は正解でした。例えもう知り合いがいないとしても、国籍が変わろうとも、やはり記憶の中で一番初めにいた国は居心地がいいです。ミリアとなってから初めて日本へ来たときは思わず涙が出ました。

私はマンションで表向きは一人暮らしをしながらも(表向きなのはテールという古くからファスト家に仕えていた屋敷しもべが屋敷とマンションへ交互に来てくださるからです)、ポアロというカフェでバイトをしながら悠々自適に過ごしています。


……そう『ポアロ』というカフェで。


私がはじめて異変に気がついたのはメガネをかけ蝶ネクタイという珍しい服装をした小学生の男の子が、ポアロの二階に住む常連でスーツ姿の男性を迎えに店にやってきたときでした。
少し既視感を覚えながらも頼まれていたコーヒーを持っていくと子供は礼儀正しくお礼を私へ言いました。
いい子ですねと子供は嫌いではありませんので少しだけ癒されたとき、スーツの男性は少年の名前を呼びました。

コナン・・・と。

耳を疑いました。
だってここは魔法の世界です。
名探偵な世界ではありません。

しかし、一度気がつくとそれは一気にあふれ出すもので。
カフェの上にこのスーツの男性、毛利さんの毛利探偵事務所があったり。そこに蘭という可愛らしい少女も住んでいたり。



知りたくはありませんでしたが、ここは探偵の世界らしいです。

なぜ、気がつかなかったのでしょう。

私はコナンの世界は映画も初期だけで大まかなことしか知らない世界ですが、ミステリーの世界ということは知っています。

事件に巻き込まれないか心配です。

殺人事件が引き寄せられるされるこの世界。まさか殺されたりしないですよね。
私は魔法使いではありますがもちろん万能ではありません。刺されたら普通に死んでしまいますし。


私は気がついてから喫茶店を辞めようかと本気で迷いましたが、逃げたところで関わりができた時点で意味はなさそうですので諦めました。
待遇も、従業員も立地もいい場所でしたし。

どう逃げようと私は物語からは逃げられないようです。


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