いちゃいちゃ不破と下校
「(^∀^)、準備出来た?」
「うん!」
「じゃあ帰ろっか」
教室まで迎えに来てくれた雷蔵に駆け寄る。校内ということで遠慮していたけど、校門を出てからは仲良く恋人繋ぎをした。こうやって雷蔵と手を繋ぐのが私は大好き。
「(^∀^)どうしたの?」
「うん?」
雷蔵の問い掛けに私は首を傾げる。だけど「何だか嬉しそうな顔してる」と返された時には、雷蔵は私のことよく見てくれてるなぁ、と自分でも分かるくらい口の端が上がった。
「だって雷蔵と手繋ぐの大好きなんだもん!」
私のより大きくて少しごつごつしてて包み込んでくれる手、何より雷蔵と私の関係を周りの皆に知ってもらえるのが嬉しい。
「ぼ、僕も(^∀^)と手を繋ぐの好きだよ…!」
小さくてあったかくて幸せな気分になるんだ…と顔を赤くさせて言う雷蔵が愛しくてたまらない。
思わず手にギューと力を込めれば、雷蔵は嬉しそうに笑ってくれた。私はこの愛しい笑顔のために生きていると言っても過言じゃないよ…と思いながら、ゆっくり近付いてくる雷蔵の顔に目を閉じようとした、その時。
「ハイハイハーイ、三郎くんが通りますよー…っと」
私と雷蔵の間を三郎が割って通って行く。三郎が私たちのジャマをするのは今日に限ったことではない。もう三郎ってば、いつもいつもこっそりと後をつけてはジャマするんだから!
「くっ…このおジャマ虫!」
「なんとでも言え!雷蔵の彼女になれるのは俺が認めた奴だけなんだよっ」
「わっ、何様!?」
「三郎様ー」
「雷蔵のフンのくせに!」
「あぁん!?」
せっかくの良い雰囲気も三郎のせいでぶち壊しだ!言い合う私たちの横で雷蔵は困った様子を見せていたけど、どうやってこの場を鎮めようか悩んでいる間に寝てしまっていた。わ、でた雷蔵の迷い癖のち居眠り。
「らーいぞー、起きて!」
「むにゃむにゃ…あ、(^∀^)」
「雷蔵、三郎なんて放っておいて帰ろ?」
いつまでも三郎に構ってらんないもん。雷蔵と帰るささやかな幸せをこれ以上ジャマされちゃたまんない!すると雷蔵も同じ気持ちを抱いてくれたのか頷いて私の手を握り直した。
「そうだね、帰ろうか」
「うんっ」
「雷蔵ぉおおっ」
おいおいと泣き叫ぶ三郎を無視して歩きだそうすると「そう言えばさっきの続きだけど」と雷蔵が言った。なぁに?首を傾げる前に唇に柔らかい感触がして私自身も、それを見ていた三郎も固まってしまう。
「僕も(^∀^)と手を繋ぐのが大好きだよ」
「っ…雷蔵好き!」
いきなりで驚いたけど、ここ道端だし三郎だって見てるけど、私たちは愛し合っちゃってるからそんなの関係ないよもう!絶対この手を離さない!
繋いだ手を離したくないのは君が愛しいから
「あ、三郎?これ以上ついてきたから怒るからね」
去り際に言った雷蔵の一言に顔を青くした三郎は、その後一切ジャマをしなくなった。