エコロジストとエゴイスト
「全人類が居なくなればそれこそエコになるじゃない。」
車内で聞いていたラジオではみんなでエコのために、マイ箸を持とうやらエコバックを活用しようなどと話している。
「確かに、そうかもしんないすけど。その考え怖いっすよ。」
鉢屋は苦笑いで車の運転を続ける。
だって今更じゃないか。今まで散々欲のままにすべてを破壊しておいて、今更大切にしようだなんて、ただの人間のエゴでしかない。
「何でもエコエコ言ってて鬱陶しい。みんな滅べよ。」
今日★さん荒れすぎ、と鉢屋は困ったように笑った。左手をハンドルから離し、私の頭を撫でる。あぁ、吐き気がしそう。この世界に、今の鉢屋に。
鉢屋もエコだよね、私を選ぶ辺り。あの人の事を忘れていないくせに鉢屋をずっと好きな私を選んだのだから。あまりものは作らないようにって感じ?反吐がでる。
それでも、鉢屋の隣にいるのは私のエゴなんだろう。