俺が悪いのか?
「はづき。しばらくは文次郎のアパートに居るのだろう?遊びに行ってやる。」
仙蔵の言葉に、俺は文字通りぎょっとした。その顔気持ち悪いぞ、と冷酷な視線を浴びせられたがこの際それは流す。
「待て待て待て…今回だけだろ!?俺はもう金輪際女を泊めるなんてごめんだ!」
仙蔵と神田に声を荒げつつも告げると2人は顔を見合わせていた。数秒見つめ合ったと思ったら俺に背中をを向けてこそこそと話しあっていた。
何だかよくわからず2人の行動を黙って見ていたら、急に神田が振り向いた。
「潮江…やっぱり、迷惑だったよね。ごめん…」
振り向いたと思ったら俯いて謝る神田。まさか謝られるとは思わず、どうすればいいのかと仙蔵に目配せする。しかしながら仙蔵は狼狽えている俺に、この上なく冷ややかな視線を浴びせるだけで何も言わなかった。
「あ、もうこんな時間!課題誰かに見せてもらわなきゃ!じゃ、また次の授業でねー!」
神田はそう言うや否や校舎に消えていった。
「文次郎、家が無いはづきの目の前で泊めないと突き放すだなんて最低だぞ。」
固まっている俺を置いて、仙蔵も校舎に消えていった。
(…俺は、どうすれば良いんだ?)