目玉焼きには醤油
神田の攻撃を受け続け、気が付けば起床時間だった。
朝飯を作る為に起きるが、神田は微動だにしない。何故それを俺が寝てる時にしてくれないのだろうか。
いつもより多く湯を沸かし、卵を2つ割って目玉焼きを作っていると、呻き声が聞こえてきた。
ベッドを見やると、寝癖頭の神田がベッドから這い出てきた。普通に起きろバカタレ。
「あ、潮江。おはよー。」
神田は大きな欠伸をした後、キッチンに居た俺に近付いてフライパンの中を覗き込んできた。
「あ、目玉焼き2つ。もしかしてそれって私の分?」
「あぁ、もう少しで出来るからお前はその頭を何とかして来い。」
ふぁーい、と気のない返事をして神田が洗面所へと向かう。俺はくっついた目玉焼きに切れ目を入れて皿へと乗せ、お椀に入れておいたインスタントの味噌汁に、沸かした湯を注いでテーブルへと運んだ。
戻ってきた神田と向かい合ってテーブルに座る。
「いただきまーす。」
「…おう。」
毎日1人で食っている朝飯が、心なしかいつもよりうまく感じた。