とりあえず寝かせろ




すぐ傍で何かが蠢いたのを感じた。何事かと思えば神田が起き上がりふらふらと廊下の方へ歩いていた。

「ど、どうした?」

「…おしっこ。」

バカタレ、お前女だろ。風呂場のドアを開けようとしている神田に慌てて駆け寄りトイレへと誘導しベッドへと戻る。

目を閉じればすぐにでも睡魔に意識を持っていかれそうだった。のに、
何かが俺の布団の中でもごもごと動いている。何かなんて一つしか、いや1人しか知らない。


「…おい。バカタレ!起きろ!」


「…んぅ…るさい。」


神田は眉を寄せて一言呟くと、また穏やかな寝息をたてていた。途方に暮れてみたものの、起きる気配も無くとりあえず神田に倣って眠る事にした。


(とりあえず、神田の寝相が悪すぎる。)

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