おやすみ3秒
「潮江ー。寝た?」
「…何だ?」
気になって眠れる訳ないだろうが。いや、気になるというのは異性としてではなく、ちゃんとシャワーが使えたかとかタオルの位置はわかったのかとかそういう意味合いなわけで…決してああいう意味ではない。断じてない。
「布団ない?」
「ない。」
「じゃあ私どこで寝ればいい?」
「…どこでも構わん。だから俺に迷惑の掛からないと頃で…って、待て待て待て!なんで俺の布団を引っ剥がす!?」
あろうことか神田は俺が入っている布団をはがして足を踏み入れてきた。つーかなんでそんな短いズボン履いてんだ!太ももを隠せ!太ももを!
「え?二人で寝るのって気持ちいよ?」
「ばっ…カタレ!そういうのは付き合ってる者同士でやる事だろうが!」
「潮江のえっち。気持ちいいの感覚履き違えるなよ。」
唇を突き出したあと、神田は座布団を折り畳んで、カバンからタオルケットを取り出した。
「ま、いいや。ここ使うね。おやすみ。」
電気が消え、聞こえるのは神田の寝息だった。神田が熟睡しているのを確認して、ため息を一つだけ吐いて俺も眠りにつく事にした。
(まぁ、明日には何とかなるだろう。)