「大ちゃーん!はやくしてよ!」
「へいへい」

あー、ほんっとさつきの奴口うるせえんだから。ちょっとのんびり歩いたらすぐこれだぜ。

「んな急いだってなんもかわんねえだろ」
「かわるよ!入学式から遅れるとか嫌じゃない!」
「別にこのペースでも遅れねえって」

今日は帝光中学の入学式。おっさんの話聞くだけの入学式とか普通にダリい。さっさと入学してバスケ部入部してバスケしてー。

ドンッ
「「わっ」」

とかなんとか考えてたら、背中に軽くなんか当たった。見えたのは帝光の制服。

「す!すいません!!」

俺にぶつかってきた(ぶつかるってほどじゃなかったけど)奴は謝ってきた。つか頭下げすぎだろ。どんだけ腰曲げて謝るんだよ。

「あ、大丈夫ですよ」
「はー、よかったです」

ぶつかってきた奴が頭を上げて前を向いた。満面の笑顔。肩ぐらいで右にまとめてくくられた髪。長い睫毛。白い肌。
うわ、なんだよこいつ、すげえ……

「かわいい……」
「…ん?何か言いましたか?」
「あ、いえ、なにも」

やべえ。思わず呟いちまった。どうやら、聞こえてなかったっぽくてよかったけど。

「あ!急いでるんでした!それでは!!」

シュバッ!って効果音を出しそうな勢いで俺の前から走って消えてった。

これが、俺と名字名前の出会い。

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