「「あ!」」
寝るためだけに向かった保健室。巡り会いたくて仕方なかった奴にやっと会えました。
「えっと、あの時の!」
なんでメチャクチャ探した時は会えなくて今会えるんだよ。いや、よかったけど。また会えて。もう最高だけど。イライラちょっと収まったわ。
「えっと、えっと……」
つか、こいつ何を悩んでんの。
「なにえっとえっと悩んでんだよ」
「あ、あの名前…」
名前??あ、もしかして、俺の名前?
「青峰大輝」
「青峰、くん」
「おう」
あーくっそ、名前呼ばれただけでニヤつきそうになった。我ながら俺ヤバイかもしれない。もー、なんでこー、なにしても可愛いんだよこいつ。ん?そういえば
「お前の名前は?」
「あ、名字名前って言います!」
「名字」
「うん!」
入学式の日以来の笑顔。これがどれだけ見たかったか。
「そうだ。青峰くん、どうして保健室に来たの?どっか具合悪い?」
「あ、いや、なんていうか…」
サボろうとして来ました。なんて口が裂けても言えない。ちょっとでも好感度下げたくねえし。実際問題好感度下がるかわかんねえけど、サボろうとして来ました、で好感度上がる奴なんか普通いないだろ。
「あ、もしかして立ってるのもつらい?ベットで寝る??」
物凄い心配そうな顔して聞いてくる名字。心から心配してるのが見てて分かる。お、俺の良心が痛い…。
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