「…遅い」


家にディーノさんが来るからって張りきって準備していたのに――――











「もう夕方じゃないっ!」


ふて寝しようと思ったその時、私の携帯から音が鳴った


「はい、もしもし」
『もしもし、名前か?』
「あ、ディーノさん」
『ゴメンな、急な仕事が入って今日は行けそうにないんだ…』
「そうなんですか・・・・ま、しょうがないですよ」
『本当にごめんな…じゃあ、また連絡するから』
「はい。お気をつけて」


そうだ、しょうがないんだ


別に、これが初めてなワケじゃないし。
ディーノさんだって頑張ってるんだ。

でも、





やっぱり、来てほしかったな・・・・・・・





















ふと気がついた時、辺りは真っ暗になっていた。

どんだけ寝てたんだ。私。








ガタタッ



「っ!?」


な、何?強盗!?






そろそろと音がする方に行ってみると、



見慣れた金髪があった





「っ!…ディーノ、さん!?」
「おぉ、名前。起きたか」
「おぉ。じゃ、ありませんよ!不法侵入じゃないですか!!」
「まぁ、そんなことは気にすんなって」


そんなことじゃないでしょ!いくら恋人だからって・・・・・っ!


「で、どうしたんですか?今日は来れないって言ってませんでしたっけ?」
「あぁ、それなんだが…」


そしてディーノさんは一呼吸置いて















「ゴメン。それ、嘘なんだ」











・・・・・・・・・・・は?う そ?



「ど、どうしてですか!?今まですごーく嘘つくのヘタで、すぐ私にバレて。また嘘ついたと思ったら今度は別れる寸前までいっちゃって。とにかく、ディーノさんは嘘つくのヘタなのに、今回はバレずにここまで来たってどーゆーことですか!?あ、あ、明日隕石でも落ちてくるんじゃ・・・・!!!」
「分かった。分かったから!落ち着け、名前。今日は、何月何日だ?」
「今日、ですか?今日は・・・・・あ、」




私の誕生日じゃん――――


「だからって、何の関係があるんですか?」
「プレゼントに時間がかかったんだよ」
「…じゃあ、期待してもいいって事ですね?」
「あぁ、俺が保証する!」


そう言いきって差し出されたのは小さな箱だった


その中には、




「あ・・・・・」














きらりと光る銀の、リング。











「名前、Se mi sposera?」







「・・・・っはい!!!」























い花は夜に

(俺と結婚してくれませんか?)











09/10/13 柚葵夜


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