何てことだ、こんなものは狂っている。
どうしようもない絶望が胸に押し寄せる。堅く握りしめた拳を冷や汗が濡らす。目の前の情報を処理することができない。脳が動くことを拒否している。
力無く壁に寄り掛かる姿はしどけなく、薄く開けられた唇はひどく倒錯的だ。下半身を汚す白と、健康的な肌の色に眩暈すら覚える。橙に染まる世界で彼だけが浮いていた。
「俺が女だったら先生の子供が産めたのに」
彼は指先でそれをぐるりと掻き回した。粘ついた欲に太陽が沈んでいく。幼さの残るあどけない表情で彼はそっと細い指先に口づけた。ああ、目を伏せることも許されぬというのか。

 

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