果たし状なんて時代錯誤なモノ初めてだった
「コイツを俺の靴箱に突っ込んでたのは、お前か。」
放課後、屋上にて待つ。とだけ書かれた紙切れ
「ラブレターのつもりだったんだけど」
夕陽に照らされた銀髪に冷や汗が伝う
「まぁどっちでもいいや」
粘ついた声に絡めとられる
「俺が勝ったらお前、俺のモンな」
綺麗なオレンジに染まった屋上で始まった喧嘩は、あまりに一方的だった
「かはっ、ぅ、げぇっ」
強烈な蹴りを腹に入れられた土方は腹を抱えるように蹲り、嘔吐した。口の中が粘ついて冷や汗が背中を伝う
「早く参ったって言えよ」
見下ろす銀髪に唾を吐きかける。
「誰が、てめぇなんぞのもんになるかよ。」
オレンジ色の夕陽は沈み、紺色が空に登り始めた頃、決着はついた
「……っ」
「あーあ。顔傷だらけじゃん」
俺ドエスだけどこういうの趣味じゃないんだよなぁ。手当てしないと。勝手な事を言う銀時に前髪を掴み上げられても最早立ち上がることもできず声もでない土方。痣だらけになり、血も滲む整った顔を銀時は愛しそうに眺める
「土方君強いね、勝てるか冷や汗モノだったわ」
でも、これでお前は俺んだな。まるでずっと欲しかった宝物を手に入れたかのような嬉しそうな笑顔。土方は霞む意識の中で聞いた
「一生手放してやれないけど、ごめんな」
欲望に粘つく声と、僅かな悲しみ。それを覆い尽くす歪んだ愛情お前を手に入れるにはこれしかなかったと彼は言う。俺を倒せたら解放してやるよその言葉を信じて土方は静かに牙を研ぐ
「あっ!ヒぁ…いッ」
女のように喘ぐ自分
「ひじかたッひじかた…とおしろう!」
アイシテルアイシテルアイシテルどうか俺をアイシテとすがるように呟く彼の背に回す手を土方は持たない
「足腰立たなくさせるために俺を抱くのか」
俺が逃げないように。俺がお前に歯向かわないように。情事後の色を濃く残しシーツにくるまって土方は尋ねた
「はっ、まだそんなこと言うの。毎晩抱かれて俺を見る度に体が疼いてるくせに」
へらりと笑う銀髪。じゃあお前は何に脅えてると言う前に唇を塞がれた

  

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -