「先生…」呟いた声は枯れていた。「先生…」ぶわり、と冷や汗が浮かんで涙が伝う。粘つく体を叱咤したくてたまらない。何故、どうして。綺麗に照らされる屋上で一人、どうやったって動けないでいるのだ。ただあなたを思っていただけだというのに。この気持ちさえ罪だと言うのか。「先生…」縋る先なんてあなたしか俺は知らないのに。「せん、せ……」青臭い匂いが空気に溶け込み、嗚咽が走る。あなた以外なんて知りたくはなかったのに。手放すように閉じた瞳に、堂々と写る夕焼けが憎くてたまらなかった。

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