粘つくまでにしつこさを帯びた視線が、冷や汗を浮かばせるまでに冷たい瞳の色が、この場を支配していた。言葉を吐こうとして、飲み込んで。そんな繰り返し。「で、どうしたいの?」わかりきった質問をするこの男は意地悪だ。「お願い、だから…」お願いだから俺を、「俺を……」続くはずの言葉は、一陣の風に飛ばされ消え去る。一筋、零れた涙の後を夕焼けの橙だけが染めていた。

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