ふわり、揺れる二房の銀髪が頬をくすぐって思わず目を伏せる。と、すかさず忍び込んでくる舌の先、少し溶けかけた飴玉が、ころり。粘つくそれを互いの舌で転がしながら、肌に滑らす指先で相手の出方を伺って。はあ、と甘く掠れる吐息が折り重なるころ、ガチャリと錠の開く音がした。(まずい、)冷や汗を流す自分とは対照的に、突然の侵入者へ見せつけるかのように行為を推し進める坂田の唇は、この時を待っていたとばかりに愉しげなカーブを描いて。「あーあ、見つかっちゃったねえ」どろり、澱んだ空気が漂う放課後の屋上を、オレンジの余韻を残した夕空が静かに見下ろしている。
 
 

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