ほぼ毎日のことだが、今日も晴矢と喧嘩した。
しかし今日の喧嘩は口だけに収まらず、取っ組み合いの殴り合いにまで発展しかけた。
ヒロトが止めに入らなければ、この頬のひっかき傷だけじゃ済まなかっただろう。ま、感謝など断じてしないがな。断じて。
その後、すっかりへそを曲げた晴矢が自室に戻ってしまうと、なんだかひとりじゃいたたまれなくなって、私も自室に戻ることにしたのだ。
最初は、むこうから謝ってこない限り口をきいてやらないと考えていた、がしかし、ふと思う。
今日の喧嘩の勃発原因はなんだったろうか。
頭をひねって、ひねって、ひねったけれど思い出せない。きっと、それほどまでにくだらない原因だったのだろう。毎日のことだが。
そういう考えに行き着いてしまうと、なんだか自分がとても幼く馬鹿馬鹿しく思えてしまえて、次は、謝りに行ってやろうかななんて考えが頭に浮かぶ。
少し悔しい気もするが、今日一日このままなんてのも堪えられる気がしない。勿体ないじゃないか。大切な人といる時間は一秒でも長い方がいい。
思いたったら即行動。部屋のドアノブをひっつかんで勢いよく引き開ける。
と、目の前には、驚いた顔の……。
「!!?」
「……晴矢?」
「…あ、え」
晴矢はあからさまに動揺していてその可愛らしさに怒りも忘れてからかってやりたくなるが、グッと我慢してなにやらいいたげな晴矢の次の言葉を待つ。
「…ふっ風介っ!」
「うん」
「俺が悪かった!ごめんっ」
バッと下げた晴矢の頭が私の鼻の先に思いっきりぶつかったけれど、そんなことよりも目の前で謝っている晴矢の方がずっと重大だ。
晴矢ばっかりに謝らせるなんてあまりにもひどいからね。そう、喧嘩は両成敗だろう?
「晴矢、顔をあげてよ」
「風介…」
「私もすまなかった」
顔を上げた晴矢が再び驚いた顔をしていて、思わず吹き出してしまった。私が頭を下げることはそんなに珍しいか。
「なに、笑ってんだよ」
「いや、なんでもない」
「…変なヤツ」
まるで奇妙なものを見るような目で私を見つめる晴矢が可愛くて、ぎゅっと抱きしめると、彼は顔を真っ赤にして暴れた。
はなしてやらないよ。だって勿体ないじゃないか。大切な人といる時間は一秒でも長い方がいいから。












 おまけ
「ところで、なんで私たちは喧嘩していたんだ?」
「は?覚えてねぇの!!?」
「さっぱり」
「ジジィかよ」
「うるさい黙れそのくt」
「みっ味噌汁だよ!!」
「…味噌汁?」
「俺が味噌汁に入ってた長ネギを、風介の味噌汁にこっそり入れて…」
「…」
「なっなんだよ!」
「君はこどもか」
「う、うるせー!!そういうおめぇだって…」
「あぁ、ハイハイそうだな。」
「(イラッ)」
「♪」












恋人が可愛くて風介さんは大満足です。
皆さんネギはちゃんと食べましょうね^^





2011/01/07 15:47
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