※年齢操作













 愛とか恋とか、所詮そんなものは幻想にしかすぎないのであって。
 苦しい、悲しい、物欲しい時、たまたま目の前にいた人に、つい心の穴を埋めて欲しくて縋ってしまうだけで。
 自分に都合よく人を愛するあなたにも、バカみたいにただひとつ愛だけを求めて。
 そんなくだらない熱みたいな愛は、熱冷ましひとつであっと言う間に目が覚める。
 そもそもあなたはおれを愛してましたか?それ以前におれはあなたを愛してましたか?
 今となっては確認すらできない。
「綱海さん」
「…おい、どういう」
 ドアを開ける。目に眩しい、それでいて柔らかい太陽がおれを包んだ。
「さようなら」
 ねぇ、綱海さん。あなたどんな反応しますか?
 引き止めてくれますか?
 抱きしめて、泣いて、おれに縋ってくれますか?
 『行かないで』って言ってくれますか?
 嘘吐き綱海さん。おれを愛してませんでした。
 今まで追いかけるのも、縋るのも、置いてかれるのもおれの方でしたね。
 今度はあなたの番ですよ。
 おれの気分を思い知ってください。
「さようなら。綱海さん」
 あなたとの思い出を全部棄てる。あなたと暮らした部屋の鍵。遠出した時の2人の写真。あなたがくれたニセモノの指輪。マグカップ。お揃いの携帯も。
 命の次くらいに、否、命より大切だと思っていた思い出たち。明日からはもう使うことはない。
 誰も追ってきてくれないおれは、誰もいない真昼の公園の可燃ゴミ置き場にそれらを投げ捨てた。
 まだまだ子供だったおれは、今日、あなたとの大人のゲームに終止符を打ち込んで、くだらない恋の記録をつけ終える。
 本当は忘れられないとか、あなたが追いかけてきてくれるって未だに信じてるとか、口に出さなきゃ無いのと同じなんです。
「…さようなら」
 最後に聞きたかったこと。
 あなたがくれたアレは幸せだったんですか?
 どこでならまた貰えますか?
 幸せって何でできてるんですか?
 教えて欲しかった。





End












好きな歌をBGMにおはなし書いてみよー!!part2←←


これは…。モロすぎてヤバい。歌詞まるまる出てるよ…。
甘くない綱立ってなんぞ……




2011/03/28 22:17
top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -