「円堂くん、あの赤くて大きな星が見えるかい。そう、それ。その右下にある小さな青い星。おれは死んだらあの星になりたいんだ」
 円堂は黙って夜空を見上げた。ヒロトがまっすぐに指差す方には青くて小さくてキラキラ光る星が輝いていた。
「そっか」
 円堂はそう一言言ってから今度はヒロトの横顔を見た。
「おれは、どの星になるのかな」
「円堂くんはあっち。おれの隣の赤い大きな星」
 円堂くんにそっくりだよと言いながらヒロトはこちらを振り向いた。いつ見てもヒロトの肌は青白いなと、円堂は思った。
「なあ、ヒロト。お前と同じ星には行けないのか? もし死んじゃった後も同じ星に行けるなら、ずっと一緒にいられるのに」
 ヒロトは困ったように笑って答えた。
「円堂くん。悲しいけどおれは、君と同じ星には立てないんだ」


冬、屋根の上の天体観測

 2012/01/18


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