このままで。

Always been this way.

ツイログ 2014 (1)

「承太郎、今日は何の日か知ってますか?」
「さあ」
「恋文の日なんだって」
「初耳だぜ」
「そこで頼みなんだが」
「なんだ」
「『法皇の緑』が『星の白金』に想いを伝えたいと言っているんだ」
「本体が先に聞いちまっていいのか」
「直接本人に言いたいんだって」
「…やれやれだぜ」
「『星の白金』!」
「『法皇の緑』!」
「話があるんだと、聞いてやれ」
「頑張ってね、『法皇の緑』。僕と承太郎は少し離れてるから」
「まったく、スタンドも本体そっくりなもんだぜ」
「そうかい?例えばどこが?」
「緊張しすぎだ。こっちが居心地悪くなるぜ」
「…それはすまない」
「まあ、居心地悪かったってのは…こっちもそれなりに緊張してたからだ、ぜ、」
「えっ」
「全く意識してない奴から言われるのと、気にかけてる奴から言われるのがこうも違うとは思わなかったんでな」
「君って…ほんとふとした時に嬉しいことを言ってくれますね。全部僕への愛の言葉と取っていいかな?」
「調子に乗るな」
「はいはい」
「なぜ迫る」
「今日はね、キスの日でもあるんですよ、承太郎」
「少し前までの恥じらいを持ったてめーはどこいった」
「まあまあ、たまには緊張しない時だってあるんですよ」
「?どういう…!?」
「あ、先越された」
「越された、って、オイ」
「うん、向こうも、みたい」
「…間抜けな質問だが」
「うん?」
「あいつら、俺らが付き合ってから一度もこう、触れ合いっつーのか?してなかったのか」
「そうだろうね」
「まあ俺らの意志でコントロールしてたわけだし、当然と言えば当然だな」
「…そのせいかな、恐怖があったのかもしれない。無意識下では拒絶されていないかと」
「…」
「スタンドには無意識下の一面が見えるものさ。本体の願望や欲求も、警戒や拒絶も、全てではなくてもスタンドには表れてると、僕はそう考えてた。だから」
「『法皇の緑』と『星の白金』が触れ合えてねーのは、俺が心ん中でてめーを遠ざけてるからじゃあねーか、と」
「意地悪く言うとね」
「で、今こうして俺の一部であるスタンドが抱かれそうになってるぜ?」
「あ、抱きますよ、多分」
「(多分…)」
「もう、不安なんて飛んでいってしまった。だからもう一度、今度は僕の口から直接言わせてくれ。君が好きです、承太郎」
「…ああ、今度は心から、てめーの気持ちに応える。約束する」
「うん、ありがとう」
「…不公平だな」
「?って、わっ」
「てめーは口では1度しか言わなかったな。俺は2回とも口で返事したぜ。穴埋め、だな」
「じゃあ、その誘い文句が止まらない口、塞ぎましょうか」
「…おう」

…花承(5/23、恋文の日、キスの日)


back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -