このままで。

Always been this way.

ツイログ 2012-2013 (1)

体を起こし、うんと背伸びをする。随分と暗い朝だ。おまけに寒い。平日の朝としては最悪、もし仕事のある日だったらやる気なんてまるで起きなくなるだろう。生憎の天気でも、このあと彼に会えることを考えると、自然と顔がほころんだ。花京院は出掛ける準備をした。
...花承(3/26)

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暑さ寒さも彼岸までなんて都合が良すぎる。世の中そんなに甘くない。彼岸を過ぎた寒空の下で、おれの心は冷え切ったままだ。あの人のせいだと言うなら、それは甘えだ。いつもおれが優しさをもらってばかりだった。次に会うときは、おれがあの人の心を温めてやりたい。
...仗承(3/26)

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割と低い声も出せるけれど、承太郎のような艶のあるバスからバリトンにかけての声は出せない。落ち着きのある低音は、時に優しく、時に厳しい。電話越しに見える彼の表情が、また愛しい。
...花承(3/26)

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昔はしばしの別れすら惜しんで引き留められることもあったが、今じゃ笑顔で送り出してくれる。それだけあいつは強くなった。本当はきっと、俺がいなくてもあいつは生きていけるんだと思う。だが、待っていてくれる。早く、あの町へ帰りたい。
...仗承(3/26)

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いつだってあいつの言うことに間違いは無かった。適当なことをぬかしているようでも、運命の歯車はしっかり噛み合っていた。だからといって、あいつの後ろにいて正しい道だけを歩くのは嫌だった。プライドでもあったが、あいつと同等でいたい我が儘でもあった。
...ジョセシー(3/28)

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血飛沫。視界一面の鮮血。溺れることはなくても、酔うには十分。ひとまずDIOは、手のひらを汚すそれを舐めとる。やはり、この体を手にした時に流れた、あの血の味を思い出させる。最も吸った血の少ない彼の、子孫である承太郎が今、DIOの肉体を、心を、一番に占める。
...DIO承(3/28)

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一緒に飯を食べるとき、承太郎さんはいつもオレが食べる様子を見つめてる。食べ盛りで、がっつくように食べるオレを見て何が面白いのかと思って、前に外食したとき理由を尋ねた。そしたら、『お前が幸せそうだから、それを見れて満足だ』って。嬉しくて追加で注文しようとしたら怒られた。
...仗承(4/1)

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帰り道に通る公園は、花見の人であふれていて賑やかだった。咲き誇る美しい薄桃は去年と変わらない。しかし承太郎には春の柔らかな日差しと相俟ってか、温かく、優しく感じられた。ふわりと漂ってきた一枚の花びらを掴む。『いつでも側にいるよ』と、かすかに聞こえた気がした。
...花承(4/8)

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「ねえ承太郎」
「なんだ」
「君は僕のものだって言って」
「俺はおまえのものだ」
「僕だけのものだって言って」
「俺はおまえだけのものだ」
「じゃあ、そうしても良い?」
「良いぜ、好きにしな」
「……」
「なんだ、不満か」
「…君を誰にも渡さない。もう二度と」
「…そうかい」
...花承(4/9)

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夜が明ける。厚いカーテンの隙間から、風と共に朝日が差し込む。足元にまで伸びてきたそれを避けた。自らの力を持ってしても、決してその光は自分の手には入らない。忌々しくも思えたが、それにも増して、尊くて、愛しい。闇に染まった体には、太陽など毒なのに。
...無駄親子?(4/10)

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