このままで。

Always been this way.

Coldness(花承・花京院吸血鬼化生存ネタ)

読む方を選ぶかもしれませんので注意。
別の場所にて言っていた花京院吸血鬼化ネタの書きかけです。
もともとこちらからもう一つの吸血鬼化ネタが派生しました。

***

小さな小さな声でした。
僕を惑わす、その声は。
優しく甘い、その声は。


眠いのも気にせず、まずはパソコンに向かう。
無機質な光。
重苦しいカーテンは時刻を知ることを妨げている。
その隙間からは夜明けの合図。
床に一筋、こちらと、寝ていたベッドを隔てる。
光が消えるのを待たなければ、僕は向こうへ行けない。
彼に近づけない。


血が欲しい。
飢えた獣よりも、下等な欲望だと思う。
命と引き換えに差し出した人間としての僕。
これでよかったのか。


「これでいい」
繰り返す言葉は、他でもない彼が発した言葉。
良い訳ない。
人間であることを否定した癖に、人間の血を吸って生きる身体になった癖に。
人間である彼と、同じ欲望を持つ。
でも、僕は人間じゃない。


「……何時だ」
「おはよう。今、5時47分だよ」
「……起きてて良いのか」
「平気さ」

目が覚めちゃうんだ。
にこやかに言葉を返したにも関わらず、睨み付けてくるような視線は刺さるよう。

「もう人間じゃないくせに、身体は人間と同じように過ごしたがる」
「それがお前なんだろ」

くしゃ、と頭を撫でた手。血の流れる人間の温かさを持っていた。

***

吸血鬼化の長編とか書きたいです…。

2013/07/21


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