私の見た煌めき(エリナ)
強く美しく逞しいジョナエリ夫婦はまさに一族の誇り。
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それはひどく私を苦しめ、私を救いもしました。
ジョナサン・ジョースター。
それが、私の夫の名前。
こうしてカナリア諸島沖の海を見ては、温もりの消えゆく中輝き続けた、彼の眼差しを思い出します。
初めて会った時、私を助けたことで傷を負って名乗らずにただ去り行く幼い背中を、私は見ていました。
それから時を重ね、心を通わせた頃に、離れることになった私たちではありました。
年月を経て私が幼き日々を暮らした場所へと戻ってくると、待っていたのは私が彼を助けることになるという、なんとも数奇な運命でした。
運命はやはり決まっていたのでしょうか。
彼が「波紋」と呼ばれる力を会得したことも、因縁の戦いを終えて私と共に歩んでくれると約束してくれたことも。
最期まで、彼が戦い続けることになったのも。
彼のことを語るのは、私にとってまだ辛いことなのです。
スピードワゴンさんは、自分が力になれなかったことを悔やみました。
私も、添い遂げることが出来なかったことをもどかしく感じました。
この身に宿る子には、いつかこの記憶を語り継ぐのでしょうか。
見上げた空に瞬く星は、いつも私を見守っていてくれていると、そう思うのです。
そう信じているから、私やスピードワゴンさんは、この子の天寿を全うする姿を、生きている限りこの目に焼き付けたいと思うのです。
誇り高く美しく輝いた、ジョナサン・ジョースター。
貴方との記憶と、変わらぬ愛は、永久に色褪せぬことでしょう。
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ジョナサンの命日だったので。
彼に託された赤ちゃんと宿した命を守り、次の世代へと繋いだエリナ。女性としての強かさ、美しさはまさに聖母。
2015/02/07