このままで。

Always been this way.

その傷に嫉妬する(花承)

中途半端感全開の没ネタ。

***

「…おい花京院、絆創膏よこせ」
「その傷のどこが絆創膏で済む程度なんだい?」
「いつものことだろ」
怪我の自慢をするというのは、いかにも不良。
決して自慢ではないのだろうが━特に承太郎の場合は━それにしても自身の体への労りが無いのか。
むかっとするのは、とにかく原因を隠すことに対してだ。
「当たり前みたいに言わないでくれないかい」
「ほっといたって治るような傷だがな」
「…ふうん、じゃあ僕が舐めようか」
「は?」
ぐい、と腕を引かれ、傷口に花京院の唇が今にも触れそうになる。
「おい」
「怪我をして帰って来られて、こっちは気分が悪いんだ。なんで君が傷つけられなくちゃあならないんだ」
「俺も手を出したからな。今回はお互い様だったぜ」
承太郎のことだ。きっと必要以上にやり返したな。
「足腰立てなくしてやっても良かったがな」
「君の為ならやってこようか?」
「…何妬いてやがる」
僕の手で傷を治すことは出来ない。
だからいっそ、僕だけが彼を傷つけられたらいいのに。

***

ヤンデレというわけではないけど、少し嫉妬深い花京院。

2012/10/10


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