このままで。

Always been this way.

タイトル未定・さわりだけ(花承)

さわりだけで力尽きてしまった花承話。

***

『やめ』の声がすると同時に、クラスの全員が筆記用具を机に置いた。

「終わったあ…」

花京院は、へたりと机にうつ伏せた。
そして、目を瞑る。
カサカサ。トントン。
解答用紙を回収し、用紙を揃えている音。
「では、ホームルームまで教室で待機しているように」
コツコツコツ。ガラッ。
テストの監督の教師が、部屋を出ていく音。
直後、クラスメイトたちが騒ぎ出す。
席を立って移動する足音。
『どの教科が難しかった?』『あの問題はどうだった?』と聞きあう声。
緊張が解けた空間は一気に騒がしくなる。
むくりと体を起こし、すぐ横にある窓から外を見つめる。
最終日だけ午前中に終わるテスト。
花京院は、退屈な午後をどう過ごすか考えた。
ちらと黒板の上の時計を見ると、11時を回ったところだ。
大した連絡も内容もないホームルームの教師の長い話は、半分ほど聞き流す。
さて、ひとまず彼と一緒に帰ることを優先しよう。

***

5分後、鞄を持って廊下に出たときには、既にそこには彼の姿があった。

「帰ろうか、承太郎」
「…ああ」

すごく疲れたな、と愚痴をこぼせば、学生はこんなもんだろ、と突っ込まれる。
玄関までの道のりで交わすやりとりが、昨日までのものより弾んでいる気がする。
テスト明けの、重荷を背中から降ろしたような反動のせいだろうか。

***

最初は、キリハラさんから頂いた『恋人たちの金曜日』の対として書こうとしてたんです。
初期設定のタイトルは『平日ゲーム戦争』です。このあと承太郎と花京院がゲームセンターに行って…戦争って…。
私は3部設定の花承を全力で推しているので、学生としての二人を書きたいと思ったらこのザマでした。なんだかすみません。
てかmemoで花承話更新するのめちゃくちゃ久しぶりでしたね!おかしいなこのサイト花承贔屓だよね!ですよ!

2012/07/26


back



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -