このままで。

Always been this way.

今日という日の悪夢が終わらない(ミスタ、ジョルノ・4月4日ネタ)

今年の4月から長いこと眠りについてたミスタいじめ話。
4月4日にちなんで、麗華さんとツイッターでストーリーを作り私がまとめさせてもらいました。要は合作です。
時間設定として、ジョルノは既にボスです。心の中ではフーゴ合流済み。心の中では。…言わんとすること…伝わって…ください…。
それではどうぞ!

***

ああ哀れなグイード・ミスタ。気づいたときにはすでに遅い。
今日の日付を見た彼は寝起きにも関わらず目を見開いてしばらく動かなかった。『今日は外に出たくない』と言い訳して家に引きこもっていたかったが、重要な仕事が終わっていないため休むことは不可能なのだ。早速運が悪い。

□■□■

少し強い春の風が窓を揺らす。仕事部屋から外に目を向け、ジョルノは小さく溜め息をついた。
(…髪が乱れそうで困りますね)
否、その溜め息は自分の心配事だけに向けられたものではない。今日行動を共にするミスタにも、である。
仕事に向かう準備を済ませたジョルノがリビングへ向かうと、窓際の椅子に腰掛けるミスタがいた。彼の背中が今日は一段と小さく見える。その上、纏う空気が明らかに重い。部屋は朝の光に包まれているのに、ミスタの回りだけは別世界のように暗かった。
「ミスタ、準備出来ましたよ」
「ジョルノ…今日のオレには仕事をこなせる気がしねえ」
「無駄な心配してないで、早く行きましょうよ。そうやって1分1秒、いや4分4秒を無駄にするほうが良いことないですよ」
「お前それ嫌がらせか…」
余計にどんよりと表情を曇らせる。
ボスであるジョルノの出向く仕事ならば、当然ミスタが補佐として付いていく。彼の護衛も兼ねてだ。組織のナンバー3として当たり前のことを求められているだけのことである。
その義務を果たすのに今日の『日にち』に問題があった。
しかし、仕事は仕事。ミスタは気を取り直そうと、椅子から立ち上がり一度深呼吸をする。
「ボスであるお前が直接出向くんだからよ…しっかりしないとなあ」
「ええ、組織の威信に関わりますから」
ミスタの苦悩をわかっているのかいないのか、ジョルノの言葉は嫌でも心に突き刺さった。
すると、ふふ、と柔らかな笑い声になった。
「何を言っているんでしょうね、僕は。あなたのこと、信頼してますよ。昨日も今日も、おそらく明日も」
「…つかお前楽しんでるだろ」
「今月中はそのつもりですので」
「…」
そう。今月は、ミスタにとって一種の避けがたい恐怖なのだ。
あの忌々しい存在が、三十日間付きまとうのだから。
その中でも、今日という日がどれほど彼を脅かすことか。
「まあ、要は楽しんだもの勝ちじゃあないですか」
「…楽しまれてる側なんだが」
「…仕方ない。どうせなら楽しみましょう、四月四日を!」
「そ、その日にちを口に出すんじゃあねぇーよ!!!」
そう叫んで睨み付けた相手の目は、笑っていなかった。

***

これに続く話も考えてるのですが、想像が膨らみすぎて完結しなくなってしまいました。
続編…書けると良いな。

2012/07/27


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