このままで。

Always been this way.

Here again(仗承)

一巡企画その1
6部設定で贔屓をうたう承太郎受けCP書こうと思ってます
主に死ネタ…なのかな?
今回は仗助と承太郎ができてた設定です

***

潮騒が聞こえる。
承太郎には、自身の知る二つの海からそれぞれ聞こえているようだった。
近くに感じる波のざわめきは、そこに自分の体があるからだろう。
しかし遠く感じる波の立ち騒ぐ音は、あの町で聞いたものだ。

叶うはずはない、自分は遠く離れたここにいる。
ただ、あの町へもう一度行きたいと思った。

□■□■

それは、二度目に承太郎がこの町を訪れた時。
会いたかった。
承太郎のその言葉が、仗助にとってわけもなく嬉しかった。
好きだと言えないまま去って行ったあの人が、自分と同じ想いでいてくれた。
駆けつけたホテルの部屋の前で、奥底にあった想いを爆発させるように、涙があふれた。
見かねた承太郎が仗助を部屋に通し、そこで仗助は今まで口にすることのなかった想いを告白した。
どこまでも、真っ直ぐな言葉で。
承太郎は初めは断ったが、求める仗助を拒むことはしなかった。
それからも、承太郎が日本にくる度に、肌を重ね、温もりを感じた。
罪悪感に苛まれたこともある。
だが、今相手を幸せに出来るのは自分だけだと、互いに信じた。
見つめた瞳の色。
触れて伝わった体温。
一瞬一瞬感じた全てを忘れまいとした。

□■□■

最後に二人で見た海も、この海岸沿いから見る風景だった。
決して色褪せることはない二人で過ごした時間をまた思い出しては、もう一度『会いたかった』という言葉を待つ。

「…オレはここにいますよ、承太郎さん」

強い風が吹き付けた。
聞こえた潮騒は、仗助の知る海のものと違う気がした。
それでも、運ばれてきた海の香りは二人の思い出の中にあるものと同じだった。
二人で桜を見た後訪れた、春の日の海での記憶と。

遅い雪解けは、もうすぐ次の春を連れてこようとしていた。

***

初仗承でした!
仗助が不憫なお話になっちゃった
二人にとって海って近くて遠いイメージです
承太郎が日本にいない間は、どちらもすぐ海に行ける距離に家があるけど、相手が今見てる海は違う海なんだろうなあとか互いに考えてたら良いな

てか叔父甥って表記の方が好きだなー、歳の差・親戚は私の萌えポイントですから!←
花承、DIO承と並べて表記するのにあたって仗承の方が良いのかなと思ってのことです
承太郎が大好きな仗助は私の中で安定の攻めです
承仗承とかも好きです

2012/03/21


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