寝付けないので(花承)
無性に花承が書きたくなって、それがたとえどんなに短くても吐き出したくなる。今そんな感じです。
『酸いも甘いも』の続きっぽい内容なので、よろしければそちらをまずご覧ください。
花京院視点で独白です。
***
どうして。
どうして僕は、承太郎を好きになったんだろうか。
理由だけじゃない。
いつだったのだろう。どこでだったのだろう。
それらの問いかけに答えるのが、今の僕にはとても難しい。
時刻は午前二時。
ホテルの二人部屋…の、承太郎のベッドの上。
僕は横になりながら、眠る承太郎を抱き締めている。
何故と聞かれたら、流れで、としか言えない。
承太郎が僕を受け入れると言ってくれた。
互いの想いを知って、そしてキスをした。
正直、その先を期待してしまっていた。
唇が離れてから、再びずいと顔を近付けた花京院を承太郎が制した。
『明日も早いんだぜ?』
その言葉に何も返せず、ただ了解の意を示してぎゅうと抱き着いた。
承太郎は花京院を抱き締め返し、そのままベッドの上に倒れ込んだ。
あわてふためく花京院をものともせず、承太郎はあっという間に眠りについた。
無防備にこちらに向ける寝顔。
こんなに近くにいることを許されて、幸せな反面、緊張して寝付けない。
それは今だけかもしれない。
まだ慣れないのだから。
幾度か繰り返した深呼吸のおかげか、いささかリラックスできた。
きっとそろそろ眠れるだろう。
その前に、もう一度承太郎の顔を眺める。
整った顔立ちに、本当にうっとりとしてしまう。
右手の人差し指で、そっと唇に触れる。
さっきこの柔らかさが自分の唇と重なったのかと思うと、また頬が赤らんだ。
この戸惑いもなくなるくらいに、彼とずっと一緒にいたい。
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花京院が承太郎を好きになった5W1Hを妄想するのが好きです。
2013/02/15