このままで。

Always been this way.

【企画】ないもの、あるもの(花承)

シチュエーション同率2位のもうひとつは「アレッシー化」でした!
ここは原作でアレ化されなかった花京院かな!と思ったんですが、パターンを数種類考えてみます。

・アレ花と承太郎

「お、お兄さん、だれですか…?」

不安を覗かせる瞳。
『彼』としか思えないその子供。
しかし『彼』とは違う。年齢が。

「…花京院、だよな?」
「ど、どうしてしってるの!?」

緑色の学ランに隠れるようにして、花京院はこちらの様子を窺っている。
警戒心が強いと言うよりは、他人が怖い、そんな素振りに見えた。
(…無理に近寄ったら、泣き叫ばれそうだな)
子供の扱いに自信は無い。

「説明してわかるかは知らねーが…おれはおめーの仲間だ」
「わ、わかんないよ、いきなり言われても」

…やれやれ。
事情が事情とはいえ、仲間である俺を全くの他人だと思われるのはいささかきついぜ。
ひとまずは、彼に俺が近い人間だと知ってもらわねーと。

「スタープラチナ!」

颯爽と、承太郎の隣に現れた、薄青の体。
それを見た花京院は、幼く丸い瞳をより丸くした。

「わあ!?」
「俺はおめーと同じ、スタンド使いだ。…ああ、スタンドっていうのは、おめーでいうとハイエロファントグリーンだな」
「お兄さんも、ぼくとおなじ…?」
「そうだ」

途端に花京院の態度が一変した。
お兄さんも小さい時からその子と一緒?他にも見える人はいるの?
実に楽しげに、無邪気に話しかけてくる。
…ああ、こいつの孤独は、こんなに幼い時からだったのか。
ただ自然に、承太郎の手は花京院の頭に乗せられた。

「どうしたの?」
「おめーは、えらいな」
「?」

今だけは、過去のこいつの孤独を埋められると。
どこか嬉しかった、どこか、悔しかった。

***
承太郎は、初めて相手が垣間見せた一面を見逃さなさそうです。こういうやつだったのか…ってイメージ固まるのが早そうなイメージ。


・アレ承と花京院

「よっと」

花京院は、その腕に納めていた彼を優しく抱き下ろした。
頬に傷を拵えた子ども。泣いてはいなかった。

「さて、まず確かめたいな。君、名前は?」
「…くうじょう、じょうたろう」
「…まさか本当に…?」

空条承太郎、と名乗られて思い浮かぶ、日本人離れしたあの体躯の彼とはかけ離れた姿。
しかし、この子供の、顔の大半を隠している学帽。
その奥には、見慣れたグリーンの瞳。
じぃ、とこちらを伺うその透き通った緑は、こちらを警戒しているようにも見えた。
が、怯えてはいないようだ。

「…ぼくのこと、しってるの?」
「そうだね、よく知ってるよ。君とは知り合ってまだ数十日だけど、心から信頼してる」

子供に対しての説明としては不親切というか。
案の定、より一層承太郎は困り顔。

「なかま?」
「そう。君の。僕たち、君のお母さんを助ける旅をしているんだ。分かるかい?」
「…お母さん」

はっ、と一瞬、承太郎は何かを感じ取ったようで、小さな唇がわなわなと震えた。
もしや、泣くかな?
少しばかりの焦燥、だが心配は要らぬものだとすぐ気付かされる。

「お母さん、たすけなきゃ。おじいちゃんと、いっしょに。お兄さんも、いっしょ?」
「…ああ。君のお母さんを必ず助けるよ。それに、僕が君を守るから」

強い君を、今は僕が。

***
頼れる花京院かっこいいなあ。
承太郎がアレッシー化しないとお姫様抱っこは辛いでしょう、存分にしてね花京院。


・おまけ程度のアレ花+アレ承(からの…)

このあかいかみの子はだれ?
おじいちゃんはいっしょにいなさいっていってた。
そのおじいちゃんは人をさがしにいくんだって、どこかにいっちゃった。
なんだかこの子、げんきがなさそう。だいじょうぶかな?

「…あの」

びくっ。
ジャンプでもしたのかとおもうほど、その子はかたをはねさせた。

「え、えっと…」
「だいじょうぶ、おじいちゃんがなんとかするんだって」

おじいちゃんはなんでもできるから、つよいから。
しんぱいはいらないよ。

「…きみのおじいさんのことなんて、ぼくはわからない」

ぼくだって、きみのことしらない。
どうすれば、きみをげんきにしてあげられるの?

「きみのことたくさんしっても、きみはぼくのこと、いちばんだいじなもの、わからないよ。みえないよ。きっと」
「え…」
「だから、ぼくはきみとは…」



「仲良くはなれねー、か」

素直で残酷。
子供の言葉は、現実を容赦なく語る時があるのだと、承太郎は悟った。
どちらに非があるとも言えないが、とにかく、互いに居たたまれない。
帽子の鍔を下げながら、花京院から目を逸らそうとした。

「ああ、もう!」
「っぐふっ!おい花京院なにすんだ」
「僕にとっては!君との今が!大切なんだ!」

少し荒っぽくて、少し照れ臭そうに。
さほど重くも無いが、しかし鳩尾に叩き込まれた拳が語る。
「今」があるのだ 。
過去の自分と決別すると覚悟した「心」がある。
幼い自分に無かったものを手に入れた花京院は、承太郎を十分に受け入れられる自信があった。

「だから…今の僕を見てください」
「言われなくても」

***
n番煎じですね。
承太郎と出会ってからの花京院の変化って、きらきら、っていう表現が合ってると思います。

アレッシー化は楽しいですね。
少々ショタ物は地雷があるのでそれに触れないように書きました。
最近、MMDの承太郎モデルにアレッシーモードが出てました。アレッシーすごい。

2014/05/24


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