日常 | ナノ
84日目(土曜日)

今日は店長の奢りで中島くんと3人でお寿司を食べに行ったのだけど、なんとそこのお店で長谷川さんが働いていた。元気そうだった。少し前にここの親方に弟子入りして厳しい指導に折れそうになりながらもやりがいを持って働いていると語った長谷川さんは本当に楽しそうで、なんだか前に会ったときよりもキラキラしていた。

店長が「あの1日さえなければずっとお店で働いてほしかったよ〜」と言うと長谷川さんは「いや、あれは…」と言い淀んだけれど吹っ切れたような顔で「その節はご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」と深く頭を下げた。その姿を見て中島くんとともに「長谷川さんできる大人って感じでかっこいいっす!」「素敵な仕事に出会えてよかったですね」と声をかけると長谷川さんは「うう、君たちは本当にいい子だよ…この町の希望だよ…」と号泣していた。よくわからないけど色々と大変だったんだろう。長谷川さんが握ってくれたかっぱ巻き美味しかったな。

あ、そうそう。今日ようやく宇宙の花が咲いた。夜の方が花弁が綺麗に開くみたいで、月明かりを反射して白く輝く様子はとても幻想的だった。父はこの花を見て「力が湧いてくるな」と言っていたけど一体なんの力?……霊力?なんて、そんなわけないか。家族にも好評で何よりだ。

眼帯お兄さんも見たがってけど間に合うかな?この花、いつまで咲いてんだろ。なるべく長持ちさせられるように頑張って世話しよ。よし、寝るか。




×
- ナノ -