日常 | ナノ
57日目(日曜日)

今日はいつもなら休みなのに急に出勤になってしまったのだけどそれを覆すくらい良いことがあった。神楽ちゃんが江戸に帰ってきたのだ。昨日実家に戻ったばかりなんじゃないの?家族とケンカしちゃったの?など色々な疑問が脳裏を巡ったが思っていたよりも早く会えて嬉しいのでこの際気にしないことにする。ただ気が動転してしまい神楽ちゃんが「ただいま!」と抱きついてきてくれたというのに「おかえり」よりも先に「何か食べたいものある?」と返してしまった。あのシーンだけはもう一度やり直したい。

神楽ちゃんがお店にやってきたときはレジが空いていたので少しだけ話すことができた。「パピーと会ってきたヨ」と笑う神楽ちゃんが一昨日のようなどこか影のある表情じゃなくて、幸せそうな顔をしていて安心した。

神楽ちゃんとの再会のシーンの一部始終を見ていた中島くんに「あの子すごいね」と言われたので「なんで?」と返すと「あの年で夕崎さんに懐いてるから」と失礼極まりない答えが返って来て、思わず眉間にシワを寄せてしまった。「け、けなしてるわけじゃなくて!夕崎さんってそんなに愛想あるわけじゃないから色々わかりにくいこともあるじゃん?!小さいうちからそれをわかった上で、懐けるってすごいなと思って…あれ?これけなしてる?」とフォローのつもりが更に追い討ちをかけてくる中島くん。これで本人は褒めているつもりなのだから憎めないというかなんというか。「ありがとう」と言うと顔が怖かったのかその後の業務でやけに気を遣われてしまった。

今日はいいことがあったので、仕事帰りに境内の掃除をいつもより念入りにしておいた。昔から父にいいことがあった日は神様への感謝の意味も込めて境内を掃除しろと言われている。兄や姉があの辺の掃除してるところは見たことないけどね。ま、いいか。寝よう。




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