雨の日 *丸井ブン太






「あ、ブン太だ。今帰り?一緒に帰ろ」


「おー。」
内心ラッキーと思いながらも平静を保って答えた。


こいつと一緒に帰るなんて久しぶりだ。
部活が休みでよかった。



たわいもない話をしながら歩いていると、ポツリと鼻に水滴が落ちてきた。

「え、うそっ雨?」

「そーみたいだな」
そんなことを言ってる間にポツリポツリと落ちてくる量が増えてきた。


「うわー!傘もってないー!」

「いいから走れって!」




わーわー言って走ると、もう雨は本格的に降り出して
ザーザー音をたてている。







しばらく走り、何とか公園にたどり着いた。たしか屋根のある遊具があったはず。


あった!

急いであいつの手を引いて遊具に滑り込んだ






シャツが体にへばりついて気持ちわりぃ


………あ…



「すっごい濡れたね〜。大丈夫?」

「おぅ…おまえも大丈夫か…?」

背を向けたまま動けずに答えた

「うん」
やべぇ…あいつの方向けねぇ…
俺だってこんなにべちゃべちゃに濡れてんだから
あいつだって濡れてるはずだ…


ということは…





透けているということだ



その………





ブラジャーが………!





いかん。

想像するな俺!
白だろうかピンクだろうか希望的には水色…とか考えてんじゃねぇぞ俺!

好きな女がびしょ濡れになってんだ!タオルでも差し出すのが男ってもんだろぃ!







……………みずいろ



ダメだ…
俺、健全すぎる。




「ねー、どーしたの?さっきからそっちばっか向いて」


「…戦ってんだよ」

「なにそれ?」


そうだ。そろそろ振り向かないとあいつも変に思うだろう。
決してブラジャーが見たいから振り向くんじゃない。
うん、そうだ。






よし!













意を決して振り向くと
そこには



水色のブラジャー………!





ではなく、白いキャミソールがシャツから透けて見えていた




「……ナイスブロック」



「はぁ?」