寒い日の話(丸井)
「愛ってさ、食い物みたいなもんなんだよな」
寒い寒い公園でほかほかの肉まんにかじりつこうと、大きな口を開けた時だった。
「…は?」
この寒さでブン太もどうかしてしまったんだろうか。
「だからさ、愛って食い物なんだよ。で、彼女は胃袋。空っぽの体で食い物だけじゃ、食ったってただ体から転げ落ちるだけで意味ないだろ。彼女という胃袋がいて初めて消化できて、栄養になるわけだよ。自分だけじゃ意味ないんだ。」
「胃があったって、う○ちになって体から出ちゃうじゃん」
「ばっかお前はしたないこと言うなよ!」
めんどくさいヤツ…
ほっといて肉まんを食べようと、再び大口を開けた
「だからさ、ようするに…」
また何か言ってる
「俺の胃袋になってみねえ?」
開いた口が塞がらないとはまさにこの事だ
ブン太はブン太で真剣な顔をしつつ、少しずつ頬が赤くなってきてる
こんな告白、
友達に言ったら絶対笑われちゃうよ…
でもいちばんおかしいのは
こんな告白でドキドキして喜んでいる私の心臓だ。