アイス(ブン太)



学校から帰る途中のコンビニで、テニス部のメンバーがアイスを買っているところに遭遇した。


「あ、お疲れー」

同じクラスの丸井くんと仁王くんに軽く声をかけた。
2人もおいしそうにアイスを食べている。

「あれ?お前部活やってないよな?こんな時間までどうしたんだよ」

「ちょっと友達と話しすぎちゃって」

「ふーん」



「これアタリっすね!よっしゃー!いぇーい!ふぅー!俺あったりぃぃい!」

丸井くんと仁王くんと、他愛もない話をしていると
2年生の切原くんが急にはしゃぎだした。

どうやらアイスがアタリだったらしい。
それにしてもすごい喜びようだな…

そんな切原くんを、幸村くんが複雑そうな生暖かい目で見ている。


「うっせーぞ赤也!って…お?俺もアタリだ!」

「えーうそ!丸井くんも?すごいね!」

一気に2人もアタリを引くなんてすごい。
さすが立海テニス部


「お前もアイス食いたいだろ?このアタリの分、お前にやるよ」

「いいの?」
「交換してくるから、ちょっと待ってろ」

そう言って丸井くんは、さっそくお店の中に入って行った。


ほんとにもらっちゃっていいのかなー
でも嬉しいなー








「ブン太が…」

「へ?」

どうしたんだろう…
みんな動きを止めて、ポカンとしている。


「ブン太が人に食いものをやるって………?」


「……それがどうしたの?」


「どうしたのって…すごいことだぞお前!あのブン太が!あいつが人に食いものを分けるなんて見たことないぞ!」

ジャッカルくんがこんなに驚いているのを私は見たことない



仁王くんは「なるほどねぇ…」とニヤニヤしてるし
切原くんは、すごい奇跡だと楽しそうだし

一体何なんだ



「それだけ大切ってことなんだろうね。ブン太をよろしく頼むよ」

幸村くんにニコニコと、何かお願いされてしまった。