「じゃぁまずこの作り方通りにドリンク作ってくれる?」

「はーい」

幸村くんはそれだけ言うと他の所へ行ってしまった



さて……
なんだろうこれは

初めて見るものばかりだ

「プロテイン……」

あぁこれがあの有名なプロテイン!





「ぶふっ!」
大胸筋強制サポーター姿の幸村くんを想像して吹き出してしまった



『たるんどるっ』

ひぃ!何?!
勝手に想像して笑ったのバレた?!




「ごめーん。間違って押しちゃった」

遠くから幸村くんがこっちに向かって言ったので、弱々しく手を降っておいた。




なんだ偶然か…
それにしてもさっきのタイミングは怖い。怖すぎる




うん、真面目にやろう















「できた!」

とりあえず完成したけど
これってどんな味するんだろう…
おいしいのかな




ちょっと味見しちゃお。

ちゃんと作れたか確認した方がいいもんね。
とかいってほんとは飲んでみたいだけなんだけどね〜




わくわくしながら口に含んだ


「………まっず!!」

何これまずっ!めちゃくちゃまずい!!!



「何してんだ?」

!!盗み飲みがボスにバレた?!
恐る恐る振り向くと、そこにいたのは幸村くんではなく髪の赤い人だった。

この人は確か……丸井くん




「ちょっとプロテインの味見を……これってもともとまずいもんなの?私の作り方のせい?」

「プロテインなんか誰が作ってもまずいぞ。俺だいっきらいだもん」
丸井くんはすごくまずそうな顔をして言った


「そうなんだ…うぇ。口直しにアンリのケーキ食べたい…」

「なに、お前アンリ知ってんの?!」

「うん。この辺のケーキ屋は一通り食べ歩いたからね」
アンリとはケーキマニアの中で人気のケーキ屋だ。
すっごくおいしいけど、雑誌の取材は断っているみたいで普通の人はなかなか知らない。


「あそこめちゃくちゃうまいよなぁ!でも俺の他に知ってるやつなんて初めてだ」
お前なかなかやるなぁ!なんて言われてちょっと嬉しくなる。


「俺、丸井ブン太ってんだ。お前は?」


「3年の小宮山ヨウコ」


「おーし、小宮山!今度俺の食べ歩きマップ見せてやるよ」


丸井くんは人懐こい笑顔で言った