チロルチョコのためにテニス部員のプライベート写真を撮ることしか頭になかった…



走りながらおかしいなとは思ってたんだ

いつもならテニスコートが近づくにつれて女子の声がどんどん聞こえてくるのに、今日はやけに静かだった






今日はテニス部、練習お休みだそうで〜す





うかつだった…



どうしようかな…


とりあえず部室の裏まで行ってみた


窓から中を覗いても、よくわからない


あ、そうだ
何かレギュラーの私物でも持っていけばチロルチョコ半年分くらいはもらえんじゃないかな?(※犯罪です)


そう思って窓に手をかけた





「そこで何をしている」


やばっ

みつかった!


そろりと後ろを振り向くと
黒髪サラサラ男子が立っていた。

あれは…たしか
柳くんだ
レギュラーは有名だから、いくら私でも名前くらいは知ってる



「ちょっと…キャッチボールしてたらボールがこっちの方いっちゃって…」


どこかなーと我ながらヘタくそな演技をしてみる




「なんか、無いみたいなんで!これで失礼します!」





「待て」

逃げようとした私の腕を柳くんが掴んだ


「怪しすぎる。何を企んでいる?」



「別に!何も!!」
私物盗もうとしてましたなんて絶対言えない


「ただボール探してただけ!」


柳くんは、ふぅとため息をつくと
なにやらノートを取り出した

「…小宮山ヨウコ、3年、容姿中、性格中、成績中の下。今日は6時間目が終わり友人と話していたところ急に立ち上がりテニスコートへ直行。…違うか?」



「何で知ってんの!!!」

「捕獲決定。」







あ、しまった