カーテンの隙間から、冬のぼんやりした光がわずかに差し込んできた。

もう朝か………一睡もできなかった


昨日のアレは、なんだったのだろう。




『君が好きだよ』




その後電車がガタンゴトンっとけたたましい音を出してやってきて
少しほほえむ幸村くんの髪を強引に揺らした。


……ダメだ
思い出すとなんか…!

自分の感情から逃げることなんてできないのに
枕を頭の上からかぶって体を丸めた。

騒ぐな心臓




このままで 部活なんて行けない…

顔なんか、とても合わせられない

だって想像しただけで こんなにも顔が熱い



『熱がでました。部活休みます。ごめんなさい』

嘘じゃないよ
誰もカゼで熱がでたなんて言ってないもん。
この顔の熱さ
計ったら確実に熱あるレベルだよ。

自分に言いきかせながら、メールを送った。
…真田くんに。

本来なら部長である幸村くんに送るべきなんだけど……

けど…………無理!!

今はもう幸村くんに関わることを思い出したくない!
うわぁーって叫びながら走り回りたくなるから

問題なく送信されたのを見守って、もう一度ベッドに倒れこんだ。


なんなんだろう、これ
自分のことなのに わけがわからない。

ふと、テーブルに置かれたドーナツに目がいったけど
今日はぜんぜん食べたくならなかった。