私、小宮山 ヨウコはThe普通

容姿普通、頭脳普通、性格普通
普通の家庭に生まれ、普通に友達もいて
私は今の生活に何の不満もない。

寝るのと食べるのが大好きで、もちろん部活もやってない。

学校の休み時間に日当たりのいいベンチで昼寝をするのが至福の時。


こんなのんびり穏やかな日常が壊れるなんて
思ってもいませんでした。


それは数日前に遡ります…










「あ〜テニス部はやっぱかっこいいわぁ!」

「ふ〜ん」
友達の一言を、わさビーフを食べながら適当に流した。


このツンとする辛さ、天才



「あんた、ほんっとにテニス部に興味ないんだね。理解できない」

私にしたらなんでそんなに興味あるのか理解できない。


うちの学校のテニス部はアイドル並みの人気で
レギュラーは揃いも揃ってイケメンばかり
学校中の女子が彼等に夢中だ




でも私は
「食べてもおいしくないもんに興味はねぇ」


「…引くわ〜」


友達が1週間賞味期間がきれた牛乳を見るような目で私を見た


「テニス部レギュラーのメンバーって、どんな生活してんのかな〜」

「さぁ?普通じゃない?」
次はチロルチョコに手をのばしながら答えた


「レギュラーメンバーのプライベート画像とか貰えるならいくらでも出すね!」


あぁチロルチョコのきなこもち、すごくおいしい…



「チロルチョコ1年分とか」



ピクッ



「まじで?」

「何が?」

「チロルチョコ1年分」

「まぁ…プライベート画像あるなら」




チロルチョコ1年分…!!!!




ガタンっと立ち上がると、私は携帯電話を片手にテニスコートへ向かった









チロルチョコ1年分のために…