携帯から騒がしいアラーム音がなる。

う〜ん…あと5分…







…ってダメだ!


寝ぼけて忘れてたけど、今は家じゃなくて合宿中なんだ!


慌てて起きると、手ぐしで髪を軽くなおしながら
急いで下の階へ向かった。


「おはよう!」

キッチンに向かうと、丸井くんがすでにフライパンにむかっていた。


「お〜、おはよ」

「ごめんね!遅くなっちゃって!」

「んー?気にすんな気にすんな。」


丸井くんは手慣れた様子で、フライパンに玉子を3個割って落とした。


目玉焼きだな



「丸井くんほんと手際良いよね…」

「まぁ家でもやってっからな。おまえも食うだけじゃなくて家でもたまには料理しろよ」


もっともすぎて何も言えません。


丸井くんは昨日の夕飯の時もすごかった。
練習が終わった後、「圧力鍋があるな」とすばやく調理器具を確認し
30分…1時間かかってないくらいだったかな…それくらいで、あっというまに全員分のカレーを作り上げたのだ。


他のみんなは丸井くんが料理上手なことを当然のように知っていて、特に驚く様子もなく
自然と丸井くんが今回の合宿の料理担当に決まっているようだった。


私が料理しなきゃいけないのかな、と思ってどうしようできない と内心焦ってたのに。
私は丸井くんの助手という位置におさまった。
拍子抜けだけど、かなり助かったな。
私もちょっとは料理できるようにならなきゃなぁ。


お皿に洗ったレタスとトマトをならべていると、みんなが続々と起きてきた。

「小宮山、そろそろパン焼いてくれ」

「はーい」


こうして、みんながイスにつくと同時に朝ごはんが出来上がった。
お見事。





「小宮山さん、昨日はよく眠れましたか?」

パンにイチゴジャムをぺたぺた塗っていると、柳生くんが紳士的な話をふってくれた。

「うん!ベッドふかふかでよく寝れたよー」

「俺もぐっすり眠れたっす!」

「赤也は人生ゲームの時すっげーはしゃいでたもんな」

「丸井先輩だってバカ笑いしてたじゃないっすかー!」

「あん時はみんなちょっとテンションおかしかったのう」


そうだ
昨日の夜、お風呂にはいってから
みんなで人生ゲームをしたのだ。

コマが足りなくなるから、2人1組のチーム戦。

私とジャッカルくんチームがなけなしのお金で買った一軒家を、幸村くん柳くんチームにあっさり奪われたり

真田くん柳生くんチームが子沢山になりすぎて車に全員乗せられなかったり…

もう大騒ぎだった。


練習で疲れてたはずなのに、楽しかったなー



今日はどんな日になるかなぁ

みんなの顔をこっそり見ながら、
パンにかじりついた。