とりあえずジャージは諦めた。まぁ勝手にもらえると思った私も図々しいんだけどさ!

ちっ

イライラしてると後ろから名前を呼ばれた


「小宮山先輩!」

「あ、…切原くん」
昨日コンビニでいろいろあった子だ


「昨日はありがとうございました!これお礼っす」


お!ポッキー!


「いいの?!しかも復刻版だ!」

「はい!食ってください!」





おぉぉぉぉ天使!!
お金はいらないって言ったからお菓子をくれたのね…!

すさんだ私の心にポッキーというオアシス…

ありがたく頂き、自分の仕事を始めた




今日はまずは、発注したテニス用具の数と実際届いた数が合ってるかのチェックを指示された。



ネットなどの大きくて数の少ないものはすぐ終わったけど
ボールはちょっと大変そうだな…
小分けにはされてるみたいだけど




まぁとりあえず数えよう



「1、2、3、4ー」

「8,9,10」


「11…じゃなくて、…5、6、7…」

「11,12,13」


「14…じゃなくてぇ!」
誰だよ紛らわしい!!

勢い良く振り向くと、銀髪でチョロ毛がついた男の子が笑ってた


えーっと確かこの人は…


「こらこら、仁王くん。邪魔をしてはいけませんよ。」


そうだ3年の仁王くんだ。
で、今仁王くんをたしなめたのは柳生くん



「ほら、謝りたまえ」


「プリッ」


プリッて……何語?
何語かわかんないけど謝ってくれたんだろうか
じゃぁ何か返さないと失礼だよね。
何語が正解?英語じゃないよね?
「……ナ……ナマステ〜……?」















「ふっ」
「ぶふっ」


少しの沈黙の後、2人同時に吹き出した。

あれ?
はずした??




「お前さん…ナマステはナイぜよ……クッ」

2人してクククと笑っている。柳生くんは何とか我慢しようとしてるみたいだけど、我慢できていない。

だって私の辞書じゃぁ『プリッ』なんて、う○この擬音か未知の外国語かだ。













「お前さん名前は?」

「…小宮山ヨウコ」
まだ笑われてるのが腑に落ちないのでブスッとした顔で答えた


「小宮山か…これから楽しくなりそうじゃ。……ぷ」「お邪魔して申し訳ありませんでした。……くく」






やっぱり我慢できずに最後に吹き出しながら、2人は練習に戻って行った
結局なんなんだよプリッて…!!