テニス部の雑用2日目 暑い 家帰ってアイス食べたい 扇風機にア〜ってやったのちクーラーつけて寝たい なんて思いながらも従順にジャージに着替える 幸村くんが『真田アラーム』を持っているかぎり、私は部活に出るしかない 今日は体育があったからジャージを忘れることはなかったけど、1回体育の時間に着たものを着るのは気分が良くない。 季節柄、汗かいてるし… やだなぁと思いつつ、テニスコートへ向かった。 「こんにちは〜」 かる〜くあいさつをしてコートに入ると、既にジャージに着替えた幸村くんがいた。 「うん、今日はちゃんとジャージ着てきたんだね」 結構結構と頷いている。 へっと愛想笑いを返しておいた それにしても… いいなぁテニス部ジャージ 毎日洗濯されているであろう幸村くんのジャージは、サラサラしてそうだ 一方私の体育ジャージは本日1回着用済みのため、なんだかヨレヨレしてる 「なに?」 じとっとした恨みのこもった視線に幸村くんは気づいたようだ「いえ…テニス部ジャージ羨ましいなぁと思って」 「あぁ。これほしいの?」 「ジャージは何枚か持ってるにこしたことはないと…」 「なるほどね。…ちょっと部室ついて来なよ」 なんだろうと思いつつ、幸村くんがスタスタ歩いて行ったので取りあえずついていってみた 「あ!あったあった」 ダンボールから幸村くんが引っ張りだしたのは、部員が着てるのと同じ、上下のジャージセットだった 「え、余ってるの?!」 「前からここに入っててね。気になってたんだ」 ラッキー! 「しかも上下ある!この上下からし色ジャージ着てると遠くから見たらブルース・リーみたいだから上だけでも充分なのに〜!嬉しい〜!」 「よかったよ。喜んでもらえて」 なんだ!幸村くんて案外良いヤツじゃない! 「上下セットで6300円ね」 ………前言撤回 「…お金とるの?」 「当たり前だろ。慈善活動じゃないんだから」 「高くない?!」 「何言ってるの。安い方だよ。amazon価格なんだから」 amazonで売ってんの?! 油断した私がバカだった 「何なら昔ちょっとだけ使ってた赤いジャージもあるけど…」 「それはたぶん触れちゃダメなとこ!!」 …初っぱなから疲れた ← → |