空気がピンとはりつめるような、寒い季節になってきた。

商店街も赤と緑の飾りや、電飾であふれている。


「もうクリスマスだね〜」

どこからともなく聞こえてくるクリスマスソングに少し体をゆらしながら、
名字が楽しそうに言った。


「名字はクリスマスはどんな感じで過ごすん?」

「24日は家族でケーキ食べてー、25日は女だらけでケーキ食べるの」

「2日連続でケーキか」
さすが女の子やなぁと笑った。


「白石は?」

「まぁ…俺もそんな感じやな。テニス部の連中とカラオケや。」


「賑やかそ〜」


けらけら楽しそうに笑う名字を微笑ましく見た。


こうやって一緒に帰れるだけでも今日はラッキーやったけど
クリスマスも、こうして名字と過ごせたらよかったのになぁ…


次から次へとやってくる願望
自分の欲張りさに、ふぅっと白い息を吐いた。


「なんかほしいクリスマスプレゼントとかあんの?」


「う〜ん、考え中。いざほしいものっていわれると、すぐ思い出せないんだよね」


俺はあるよ
ほしいもの。




「俺とかどやろ?」


結構本気

やけど真剣になる勇気がなくて
ついいつもの冗談口調


顔では笑いながらも、少し緊張しながら名字の反応を待った。




「いいね!白石がいたら毎日部屋の掃除してくれそうだし」


…やっぱり冗談にとられた

わかってたけど、やっぱりちょっと肩が下がる


「白石、掃除とか好きでしょ?」



こちらを見上げてくる、くりっとした目に少し顔の熱が上がるのを感じた


「おー、めっちゃ好きやで!」



おまえをな!