練習が終わり、コートの整備や片付けをはじめた頃

先生に呼ばれているから行ってくる、と幸村部長が職員室へ向かった。


計画通り


柳先輩が美化委員の先生に今日の作戦を伝え
最低15分は足止めしてもらうよう依頼したらしい。


「赤也、行くぞ」

「うっす!」

丸井先輩、ジャッカル先輩に続いて
俺も家庭科室へ向かった。


目的は食糧調達だ。

調達といっても、お菓子やジュースは昨日のうちに買ってある。
ケーキは丸井先輩お手製。

朝のうちに家庭科室へ運んで保存しておいたそれらを取りに行くだけだから
15分あれば余裕だ。



「いや〜しっかし買いすぎましたかね?」

家庭科室の机に山盛りになっている食べ物を見て笑いがこぼれた。

ほとんど丸井先輩チョイスなんだけど…

ポップコーンにチョコレート、ポッキーと、…メロンパン


「メロンパン?なんかコレだけ雰囲気ういてません?」

きらびやかなお菓子の中に、なぜかポツンとメロンパン


「あー、それ俺が選んだんだよ。幸村くん最近よく食ってるから。好きなんだろーなーと思って」

さすが丸井先輩、人の食ってるもんまでよく見てる。
「でも幸村部長とメロンパンって…あんまイメージわかないっすけど」

「ほんとに食ってんだって。明日お前も見てみろよ」


「おいおい、もう行くぞ」

ジャッカル先輩に時計を指刺され
やべぇやべぇと急いでテニスコートに戻った。