「おはよー………?」

「おっはよー名前子!」


朝、いつも通り学校に着き
いつも通り自分の教室の自分の席にいくと
斜め前の席の親友、みっちゃんがビデオを撮っているという
非日常的な光景が待っていた。


「何してるの?それ」

「みんなの日常を撮っておいて、卒業式の時にクラスのみんなに配るんだって〜。おもしろそうだからカメラマンしてるの」


「ふ〜ん」

「ほら!もう一回!カメラに向かっておはよーって」

「…おはよ〜」


そうか、もうすぐ卒業かー…


「よし、ひとまず電源オフ!」

そう言って、みっちゃんはビデオを机の上に置いた。



「そういえばさ、決まったの?幸村くんの誕生日プレゼント」


「ん〜…まだ」

そうだ
一週間ほど前から私の頭の中は、このことでいっぱいだ。

もうすぐ幼馴染の精市の誕生日。
今までもプレゼントはしてきたけど、今年は特別。

だって、私達が付き合うようになって最初の誕生日なのだ

プレゼントは何が良いんだろう


「男の子って、どんなものがほしいのかなー…」


考えがれば考えるほどわからなくなる


「ガーデンニング用品とかかなー…でもスコップとかは色気ないし、エプロンもピンとこないし…」



うーんと悩んでいる間、みっちゃんはニヤニヤとこちらを見てるだけ


「なんかアドバイスしてよー」

「だって幸村くんのことは、名前子が一番よく知ってるでしょ」


そうなのかなぁ…



そうこうしてる間に先生がやって来て、授業がはじまった


「みっちゃんビデオ片付けないの?」

「ん?あぁいいのいいの。授業風景も撮ってくれって頼まれてるから」

「ふーん」

卒業も間近になると、先生もだいぶ甘くなるもんだなぁ

授業が始まっても、みっちゃんの机の上に置きっぱなしのカメラのレンズと目が合う


どんな映像になるのかな


ってそれも楽しみだけど!
今は精市の誕生日プレゼント!
考えなきゃ!


まずは、プレゼント候補のリストを作ろう!

と、意気込んでとりあえずシャーペンを持ったものの、全くペンがすすまない。



うーん…


そうだ!
まず精市の好きなものを書いてみよう!
そしたら何か良いもの思い浮かぶかも!



テニス、ガーデニング、ルノワール…



なんかどれもプレゼントにするには高そうだな…
あー、
どうしよう…

まぁでも、まだ精市の誕生日までは日にちがあるし

なんとかなるよね



あと7日