んな日にも 26
俯いてしまった沢田さんの髪を撫でる。
肩が跳ねて耳まで真っ赤だ。これが天然の反応だから俺には生殺しだな。
「沢田さん、飯が冷めちまいますから食べませんか?」
言うと顔を上げてくれたので、2人で残りの料理に手をつけた。
食事を済ませたところで俺はある事を思い出し1度車に行き、取って来た物を不思議そうに俺を眺める沢田さんへ渡した。
「この前、店で沢田さんから離れた時それを探しに行ってたんです。中をどうぞ」
「…あっ!これ!!」
持ってきたのは俺が作っているボンゴレのDMカードを収納していたファイル。
「興味を持ってもらえたみたいだったんで、他のも見てもらおうかと思って」
「すごい、すごい!これ、全部獄寺さんが?」
「えぇ、趣味で写真を撮ってるんでそれに文字を入れてるだけなんですが」
「そうなんですか〜…あ、また猫。この猫って獄寺さんが飼ってるんですよね?」
「瓜っつーんですけど、沢田さんは猫が好きなんですか?」
「いや、どちらかと言うと動物苦手な方で特に犬とか駄目なんだけど、可愛いなと思って」
「それなら今度、瓜に逢いに来ませんか?」
「え!?」
「せっかくなんで店以外でも逢いませんか?」
「…良いんですか?」
「もちろん!」
よし!!サラッと、自然な流れで次の約束を取り付けたぞ!!凄く嬉しそうに答えてくれて、慕われてるんだな。と嬉しく思う反面、下心があってゴメンナサイ。と心の中で土下座する。
「俺、土日休みが月に1、2回しか無いんですが、今週の土曜が空いてるんですけど…」
「土曜…午前中学校なんで午後でいいなら」
「良かった、じゃあ土曜の午後に」
「はい。…あ、気になってたんですけど、俺にそんな敬語使ってもらわなくていいですよ。俺普段敬語使わないからいつも変な敬語使っちゃってるし」
「あぁ…はじめに店で逢ったからってのがあるんですけど元々口が悪いんで、沢田さんには敬語のままがいいと思って…沢田さんは普通で構いませんから」
「う〜ん…獄寺さん年上だし、俺だけタメ語ってゆうのも…」
「じゃあ、お互い砕けた敬語で、タメ語になっても全然OKってのはどうですか?」
「うん、それがいいですね!」
「じゃ、今日はそろそろ帰りましょうか」
「はい」
実になごり惜しいがあまり引き止めるわけにはいかないので店を出る。
沢田さんの家は幼稚園の先とゆうので、そこまではこっそり遠回りした。