んな日にも 24
「やっぱり獄寺さんだ。綺麗な銀髪が見えたからまさかと思って走って来ちゃいました!」
「あ、の…どうも。いきなり来てすいません」
「いえ、全然!…あの、この間はすみませんでした…」
気づかれずに去るつもりだったのに…
それに、俺と逢うことにもっと拒否感があるかと思ってたが、その様子は無くいきなり謝られて驚いた。
しかも、先日の事を気にして近々またボンゴレを訪ねる予定だったとの事。
とりあえず沢田さんはまだ仕事中で園の柵越しに会話している状態だから沢田さんのアドレスを教えてもらい、仕事後に沢田さんから連絡をもらう。とゆう事でその場は別れた。
一旦パーキングエリアに戻り車内へ入ると、大きく息を吐き出し、握りしめた携帯を見る。俺の連絡先をメールしなきゃな…。
沢田さんのアドレス…聞いちまった。
何だか妙に緊張する。
…自分の乙女っぷりがキモイ。
メール送信後、少し落ち着こうと近場を適当に流し、終わる頃だと言っていた19時少し前にまた園近くに車を止め暫くしたところで携帯のランプが着信を知らせた。
ディスプレイには知らない番号。けれど相手には確信がある。
通話ボタンを押し名乗ると、いつもより少し高く、一段と可愛らしい声が遠慮がちに
「あ、あの獄寺さん。さわ、だ…です。」
と言い、俺の脳を痺れさせた。
「お疲れさまです。さっきは突然すみませんでした。今、どちらに?」
「いえ、こちらこそ。待たせてしまってごめんなさい。今はさっき別れた道に居ます」
「分かりました。行きますんでそこに居て下さい」
「はい」
電話を切り車を出す。直ぐに沢田さんを見つけてそばに止め、外に出て声をかけると小走りに近づいてきた。
「もし、大丈夫なら飯食いに行きませんか?」
「はい!実は腹減ってて」
「良かった。俺もなんです。じゃあ、どうぞ」
助手席を開けて中へと促す。
気まずい雰囲気は避けたいと思っていたからこの展開に胸をなで下ろした。
親には友達と夕飯を食べてくると伝え、門限は無いから大丈夫と言うが遠出させるわけにはいかないので近場の店に入りとっとと注文。一段落してやっとゆっくり話せる。
最初は幼稚園がバイト先になったいきさつなんかを聞いて和やかな雰囲気に乗じて話を切り出した。
「体の具合が心配だったんで、ディーノ…さんにバイト先勝手に聞いてしまって…」
「いや、俺が迷惑かけたのに…ほんとすみませんでした。体調は大丈夫です」
「なら、良いんですが…あの時もし、俺が何かしたなら…」
「違うんです!ほんと、獄寺さんは全然…。何て言ったらいいのかな、自分でもまだよくわかってないんだけど…」
沢田さんは困ったように笑いながらあの時の事を話してくれた。
途中運ばれてきた料理を美味しそうに食べる様子に俺の食も進むが、話しの内容に俺の心臓は早鐘のごとく、激しく鳴り響いていた。