んな日にも 23












沢田さんが帰った後にディーノから「ちゃんと送った」と連絡があった。
心配でたまらないが、どうにも出来ない自分が歯痒い。
突然過ぎて…あの状態の沢田さんに聞くことは出来なかったし、自分も内心かなり狼狽えていて平静を保つのに精一杯だった。
体は良くなったのだろうか…
彼はまたここに来てくれるだろうか…



俺ってこんなウジウジした奴だったか?
これは、この前店に来るか来ないかでモンモンとしていた時とはまた違う感情だ。でも、あの時はどうした?何があって吹っ切れたのか…あの時は確か…彼に逢えたからだ。
直接逢ったあの時の心臓の痛み。あれで自分の中の沢田さんの存在の大きさを確信した。

それなら、逢いに行こう。また拒まれるかもしれないと思うと嫌な汗がでてくるが、ウジウジしてんのは性に合わねぇ。俺は沢田さんに逢いたいんだ。
















「ツナ兄!こっちこっちー!」

「キャハハ!ツナ兄遅い遅い!」

「おにさんこっちら〜!」

「も〜なんだよ、おやつあげないぞ〜」

「「「えぇー!!やだぁー!!」」」

「スキありっ!青鐘ちゃん捕まえた〜!」

「あーなによ!ずるいー!」


目の前に広がる夢の国…もとい、幼稚園児と沢田さんの鬼ごっこ。何で夢の国かってそりゃ沢田さんがエプロン姿だからに決まってんだろ!!何だあのラブリーさは。エプロン作ったのって誰だ!?礼を言いたいくらいだ。

…って馬鹿か俺は。あまりのパラダイスに脱線しすぎだっつの。

数日考えたが、やっぱり行動だと結論に達し仕事が早く上がれる今日、沢田さんに直接逢えなくとも、先日の安否を確認したいとディーノにバイト先を聞いて来たが…元気そうで良かった。

しかし幼稚園の近くで中を伺っているのは通報されかねない。話しをするにはご自宅を訪ねたいが、いきなりそれも考えものだから顔だけでもバイト先なら見れるんじゃないかと思ったがここに長居はできねぇな。


「獄…寺さん?」


どうするか考え直す為に車に戻ろうとした時、声をかけられた。
驚いて振り返ると、やはり驚いた顔の沢田さんが居た。







ー23ー



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