んな日にも 17
俺は付かず離れずで商品のフォローを入れていくが、少し高い位置にある商品を見上げる表情や、俺の説明に驚いたり笑ったりする彼の一挙一動にテンションは上がるばかりだ。
表には出さないように努めるが。
「今日は、何かお目当ての物はありますか?」
「んっと、洋服も欲しいんですけど、この前来たときに小物やアクセサリー関係も多いんだなって思って気になってたんですけど、今までそうゆうの着けたことないからどうしよっかなって」
「そうなんですか、それなら…このウォレットチェーンとかどうです?ファッションとして単独で着けるのが主流になってますから、今日のデニムやいつもの服装にワンポイント入れるだけでカッコ良くなるかと」
「あ、着けてる人よく見ます!」
「えぇ、俺も今着けてます。沢田さんはあまりジャラジャラしてない1連の細めの、この辺りがイメージに合いますけど…」
「そうですね、俺もあんまり派手なのは苦手なんで…」
「着けてみましょうね」
「ありがとうございます」
…はい、言っておきます。けして、けして!下心があってコレを薦めたわけではありません!!不可抗力です!!
現に今、激しく動揺しております。
俺は着けやすいようにと彼の横に行き、片膝をつきました。
ベルト通しに引っかけるために沢田さんは着ていたトレーナーと、中に着ていたTシャツの裾を少したくし上げてくれました。
俺の目の前には…細い腰…白い生肌…が…チラリズムです。
変態ですか?
えぇ、変態ですね。
もういいんです。
俺はこの人の全てに反応しちまうんです。
「………………………………」
「…?獄寺さん?」
だが、ここで動揺を悟られてはいけない。
まずはこのポジションを最大限に生かし、格好いい店員のお兄さんの地位を確立だ!!
「金輪際来ません!」なんて御免だ。
今までの沢田さんの反応からして他者とのスキンシップは初々しい。近づきたくても積極的過ぎるのはマズい気がする。
守る者がいきなり狼になるなんてシャレになんねぇ。
いや、どうこうしたいわけじゃないが…やっぱり触れたいとかは思っちまうんだよな。