んな日にも 14
沢田さんが来てから3日が過ぎた。
次に来るのは給料が入ったら。と言ってたから当分来店はしないだろう。来たばっかりで学校やバイトがある。だから平日なんて特に来ないと分かってる。分かってるのにどうして店のドアが開く度に期待しちまうのか…。
さすがに3日も無意識に反応している自分にイラついてきている。
ふとした時に沢田さんの笑顔がチラつく。本物に逢いたい。話をしたい。
そうゆう思いが膨らんできちまって、触れたい…とか思うようにもなってきた。変態くさくねえか?
ん〜…この前はディーノのこともあって、奴から沢田さんを守ることが宿命だとか思って…まぁ今もディーノと言わず、何者からも守りたい気持ちは変わないが。
でも、彼と逢ったこの場所でなら思い出すのはしょうがないと思うが…家でも思い出すんだよな。
やっぱり…そー、なのか?
いや、こんなに1人のことばかり考える様な、執着めいたことをしたことが無いからよく分からない。
「はぁ…」
「店長、キモイ。」
「んなっ…!」
「最近、ため息多いですよ。(憂いを秘めてるとかお客が言ってたけど…コレか…?)」
「え?あ、あぁ悪りぃな…」
「気になる子でも出来たんですか?」
「………はぁあっっっ!!!?」
「図星ですか…ますますキモイ。(京子の言ってた、沢田様かな?)」
「な、なんも言ってねぇだろ!!キモイ、キモイ言うんじゃねぇ黒川!!」
「ふっ、そんな店長珍しすぎるんで相談なら乗りますよ?」
「…その不適な笑み、やめてくれ…(何なんだ?女のカンってやつか?)」
こいつ、黒川花は笹川の紹介で入ったバイト。笹川とは逆にテキパキ仕事をこなすタイプ。発言もハッキリ容赦ないが…。ため息多いのか、気をつけなくちゃな。
「それで?沢田様…って言うんですか?」
「っ!??だから!なんも言ってねーだろ!お前は超能力者か!!」
「…ってことは、当たってるんですね?」
「…うっ、ぐ……」
「ほら、その反応ですよ。いつもならサラッとクールに受け流すくせに」
「サラッとクール??(ほんと、何なんだコイツ……いいや、もぅめんどくせぇ)…気になるって言うか…まぁ、そうだな。気になる。んだが、何で気になるのかが分からねえんだよ。」
「…それは、どんな風に気になるんですか?」
「あ〜…なんつーか…逢った時のことを良く思い出して、また逢いてーなぁとか、話したいなぁとか、今何してんのかなぁ。とか……これってストーカーっぽくねぇか?」
自分で言ってて自分がキモく感じてきた…黒川の奴、やっぱり超能力者か!!
…いや、黒川は笹川に話を聞いたのだろう。どうにも沢田さんの事になると取り乱してしまう。
「ほらっ!いつまでも喋ってないで仕事すんぞ!」
「はいはい。ま、いつでも相談してくださいね〜★」
「……………………………」