んな日にも 13
フゥ太が寝た後、カバンからアップリケとエプロンを出して母さんの所へ行く。
「母さん、今日ランチアさんにコレもらったからエプロンにつけて欲しいんだけど」
「あらまぁ可愛いわね、いいわよ〜貸しなさい」
母さんの座っている向かいに座り、縫い付けられていく作業を、こーゆうのは全く出来ないなぁ。まぁ、男なんてだいたい出来ないもんだろ。なんて考えながら見ていたらあっとゆう間に付け終わったエプロンが帰ってきた。
「はい、出来たわよ!」
「ん、ありがと」
「これってあそこの先生方がそれぞれエプロンにつけてる名札よね?あの園長先生が作ってたのね〜。ふふ、意外って言ったら失礼かしらね?」
「そう、みんなつけてるやつなんだ!園長先生…俺も初めて逢った時は泣きそうなほど怖かったけど、でも凄く良い人だよ!」
「ふふ、良かったわねツー君」
「…うん。じゃあも、寝るから!」
「はいはい、おやすみ〜」
「おやすみ!」
ニコニコと俺の顔を眺める母さんに、なんだか俺が園児として通っていて、園の話をしていた小さい頃に戻ったような感じになってしまい、気恥ずかしくって直ぐに自室に戻った。
でも、やっぱり嬉しくて、しばらくエプロンを眺めていると早く園に行きたくなってしまった。本当に自分が園児になってしまったかのようだ。でも、あくまで仕事。みんなが怪我とかしないように気を引き締めなくちゃね!お金だって貰ってるんだから!…あ、お金…
決意を改にしたところで給料の存在を思い出してカバンからうさぎの封筒を取り出して中身を確認する。
まだ1ヶ月丸々働いた訳じゃなかったから多いとは言えないけど、でも初給料!
これならボンゴレで何か買えそうだ。
今週の日曜日、さっそく行ってみようかな。
考えるとソワソワしちゃうけど、はやる気持ちを抑えて週末を待った。