んな日にも 11
翌日学校へ行くと真っ先に山本にこの出来事を報告した。山本は中学からの俺の親友。
雑誌を初めて1人で買いに行く時についてきてくれた。それからは雑誌が出る度にその時の写真について俺が興奮して話すのをニコニコしながら聞いてくれる凄くいい奴。
山本は野球が大好きでプロを目指してるから服にはあまり興味が無いって言ってるけど、元々顔が良いし背も高くてスポーツマンらしくナチュラルマッチョで女子にもてまくってる。本人は否定するけど。だからボンゴレの服も似合うと思う。
俺の周りって背が高くて格好いい人ばかり。自分の貧相さが強調されてる…。
昨日だって獄寺さんに中学生だの可愛いだの言われたし…。
でも…獄寺さんに言われる「可愛い」は嫌ではなかった。何となくくすぐったい感じ?
「変だよね〜」
と山本に言ったら苦笑いされた…何故だ?
結局、下級生や同学年に言われるとムカつくことも、憧れの大人に言われるとほめ言葉になる。ってことで落ち着いたけど。
山本は野球の特待生、スポーツ組なんて呼ばれているクラス。俺は絶対そんな凄い所には入れないから休み時間にお邪魔するだけ。山本が俺のクラスに来ることもあるけど…女子が騒ぐから大抵俺が行く。
そして放課後俺は幼稚園にうちのチビを迎えに行くんだけど、ここが俺のバイト先。
「フゥ太、いい子にしてたか?」
「あ、ツナ兄!!!」
高校からの帰り道に園があり先月、迎えに行けない母親の変わりに1週間ほど学校帰りに弟を迎えに行っていた。
最近は共働きの家が増えているから、夕方でも園には子供がわりといて最終19時まで預かってくれる。
俺が迎えに行く夕方でも幼稚園生にしては遅いはずなのに、まだ遊びたいとせがむフゥ太の相手をしていたらみんな凄く元気で、他の子達にも遊んでとせがまれ、結局1週間ずっと最後の子まで見送って帰る日々だった。
「ツナ兄早く早く!遊ぼっ!」
「分かったから、ちょっと待ってな」
「ツナ君こんにちは。荷物置いたら先に園長先生の所行ってくれる?来たら呼ぶように言われてたの」
「はい、分かりました。じゃあちょっと…」
迎えに行っていた翌週、みんなが寂しがってるとフゥ太に聞いてまた園を覗いてみると大歓迎され、正直かなり嬉しかった。
それを見た園長先生が人手不足だからと、バイトの話を持ちかけてくれたのがきっかけだった。